
1/15
夕立へ人工呼吸を怠ると箱庭の壁が握りつぶす
混濁していくことは心地がいい。優も劣もなくなっていくから。苦しさが純化されていく。
しんどい感情に息をさせていこう。棲家がないから、喰い破ってくる。
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抗鬱剤をあおり往け 内のひだを溶かして結社に所属せよ
川に、雲に、あこがれてゆけ。
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ひたすらな畦道で前後すら消ゆ 脚に歩かされる殻となれ
なんで毎朝起きるんだろう、と本気で思っている。
ただ在ることは、なんて難しいのか。1時間前の俺は俺じゃない。その事実を生きることに疲れるときがある。
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生きたくないから生きたいと唄った
あの朝露のような姿で
岸政彦さんの『ビニール傘』を読む。生のさみしさが宿っている気がする。そこに切実さがある。
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またひとつ灯りが消える
黒目で息継ぐ惰性が指を鳴らして
日々を意図的に平板化させて、生きのびている節がある。スイッチオフ。それは生きのびていると言えるのか。
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「なぜ僕はヒーローの洗脳を拒否したの?」
縄に聞けども無言で
どう生きていきたいのかを、妻とはなす。ずっと満ち足りないのでは、と怖くなる。幸せなのに。
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風よ吹け あの窓たちをこじ開けて臓物をかき乱すほど吹け
内に閉じると、腐っていく。仕事も作業も、その内側に取り込まれさえしなければ、かきまぜてくれるものになる。

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