短歌日記 24.12.02〜24.12.08

火守りのつれづれ
12/2

千切れた僕を瓶に詰め今日も海
応答願う冷えたつまさき

朝の車のなか、BUMP OF CHICKENの『HAPPY』のライブ音源を聴いて泣く。大声で叫ぶ。

「闘う相手さえ解らない だけど確かに痛みは増えていく」

叫んでいたことなんて忘れたような顔で、まちで過ごしている。いつから擬態が上手くなったのか。

12/3

撫でで欲しくて すり寄って うそぶいて 俺が世界
からっぽばけもの

友人との楽しい時間の裏から、「結局は自分をわかってほしいだけだろう」という声がする。

12/4

ごまかしと僕はいつまでかくれんぼ
夕暮れなにが はじまる?おわる?

虚無感と仲良くなれないな、まだ。「起きてなにになるの?」に答えられない。

しんどさからは抜け出せない。それでも意志を持つのは良いことなのか。狂っていることじゃないのか。

12/5

着ぐるみで這い出す異星人
今朝も壊れた笑顔褒められてまで

お昼に『ぼくは12歳』を開く。

「ぼくは
うちゅう人だ
また
土のそこから
じかんの
ながれにそって
ぼくを
よぶこえがする」
(岡真史『ぼくは12歳』より)

この数日後、彼は身を投げたのだろうか。

12/6

単色の世界 喉を埋めていく
焼き切れようとも喚き散らせ

のっぺりした時間。小さな存在と過ごす1日は心の底から幸せ。同時に、取り残されている感覚になる。

粘っこいなにかに、足が絡め取られていく。

夜は友人とオンラインではなす。時間が流れていく。流せ、止めるな。

12/7

ここにいていいと言われたくて刺す
その血が正で生となる 雪

「生きていく」を信仰していないと、疑っていない状態じゃないと、存在してられない。

いかなる生にも価値がある?

12/8

さみしさのうつわを買った
満ちている嗚咽啜った 乾かない跡

昼寝していたお子が泣いて起きた。駆けつけたあと、涙の跡を頬につけて、腕のなかで寝ていった。なんだかとても、さみしかった。

妻の、お子の見ている世界、感じている世界を解ることはない、解るときは来ない。来ないのか。

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