12/2
千切れた僕を瓶に詰め今日も海
応答願う冷えたつまさき
朝の車のなか、BUMP OF CHICKENの『HAPPY』のライブ音源を聴いて泣く。大声で叫ぶ。
「闘う相手さえ解らない だけど確かに痛みは増えていく」
叫んでいたことなんて忘れたような顔で、まちで過ごしている。いつから擬態が上手くなったのか。
12/3
撫でで欲しくて すり寄って うそぶいて 俺が世界
からっぽばけもの
友人との楽しい時間の裏から、「結局は自分をわかってほしいだけだろう」という声がする。
12/4
ごまかしと僕はいつまでかくれんぼ
夕暮れなにが はじまる?おわる?
虚無感と仲良くなれないな、まだ。「起きてなにになるの?」に答えられない。
しんどさからは抜け出せない。それでも意志を持つのは良いことなのか。狂っていることじゃないのか。
12/5
着ぐるみで這い出す異星人
今朝も壊れた笑顔褒められてまで
お昼に『ぼくは12歳』を開く。
「ぼくは
うちゅう人だ
また
土のそこから
じかんの
ながれにそって
ぼくを
よぶこえがする」
(岡真史『ぼくは12歳』より)
この数日後、彼は身を投げたのだろうか。
12/6
単色の世界 喉を埋めていく
焼き切れようとも喚き散らせ
のっぺりした時間。小さな存在と過ごす1日は心の底から幸せ。同時に、取り残されている感覚になる。
粘っこいなにかに、足が絡め取られていく。
夜は友人とオンラインではなす。時間が流れていく。流せ、止めるな。
12/7
ここにいていいと言われたくて刺す
その血が正で生となる 雪
「生きていく」を信仰していないと、疑っていない状態じゃないと、存在してられない。
いかなる生にも価値がある?
12/8
さみしさのうつわを買った
満ちている嗚咽啜った 乾かない跡
昼寝していたお子が泣いて起きた。駆けつけたあと、涙の跡を頬につけて、腕のなかで寝ていった。なんだかとても、さみしかった。
妻の、お子の見ている世界、感じている世界を解ることはない、解るときは来ない。来ないのか。
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