短歌日記 25.01.01-25.01.07

火守りのつれづれ
1/1

日常は化け物面でひたひたと
奥の眼に見惚れたい四時

年越しまで起きていたので、朝の早いお子に合わせては起きれず。寝室から遊ぶ部屋に行きたい欲を叶えてあげられなくて、スネてそっぽを向き、両手をバンバンさせていた。申し訳ない。でも、スネれるようになったんですね。

昨日から来てくれているご両親と、みんなで過ごす。

見送ったあと、ぐったり。妻は2日から仕事なので、もう日々がやってくる。

1/2

皆、冬空に迷いただよう蛍
あちらの火花に耳を澄まして

しんどい朝。一度は起き出すも、布団に寝転がらせてもらう。少しだけのつもりが、1時間動けず。途中、意識を途切れさせるために寝ていた気がする。

紅白で観てから、いまさらながら米津玄師の「さよーなら、またいつか!」にハマる。

深く遠くを見つめている人たちは、どうやって生きているんだろう。

1/3

裸のコンビニと粉々の落ち葉
おなじふるさとへ往くから いまは

朝散歩がてらなにかを買おうと、近くのコンビニ(徒歩20分)まで歩いてみるも、いつのまにか潰れていた。装飾の剥がされた一階建ての建物は、むなしさをまとっていた。

お子と公園で遊ぶ。落ち葉を拾っては落としていた。葉っぱたちは、よく見ると1枚ずつ違う。でも、お子がぎゅっと握ると粉々になり、おなじ塵となる。

1/4

背表紙を触媒として深海へ
淡い嫉妬は静けさに帰す

昨夜は寝る気になれず、頭の中の警告を無視しながら夜ふかししてしまった。豊かな迷いは、なにかへのバツ印を減らすことなのかも、と友達が言っていた。布団のなかでの逃避にも、バツをつけずにいられるか。

1/5

いのちから逃げおおせたら工場でこんどは正しい観察者に

昨夜もうまく寝れず、朝は起きれず。なにかを変えたくて夜ふかしし、朝は日々が怖くて起きれない。

俺はなにかをして変わるわけでもないし、救われるわけでもない。意識的に受け容れるものでもなく、ただ在るだけなはず。

しんどさも嬉しさも、たしかに在るけど、ただ在るだけ。

1/6

こないだまで絵の具だったその泥をピンセットで取り戻す仕事

早めに寝て、無事に起床。自分を労ることができると、身体以外のなにかも回復していく。思考と心と身体の一致、か。

友人たちに会うため、家族三人で久し振りに遠出。お子とのお出かけは大変だが、やはり外だから得るものもある。楽と怠惰は紙一重。

「なにが自分の幸せか」が見えている人は強いよな、と思う。俺は幸せになりたいのだろうか。幸福はあれど、悲喜交交がいい。

1/7

いくつもの灯台に手をかざすひと
影を慈しむ祈りのよう

午前中、とんでもなく調子が悪かった。文句だけ言って、グズグズして、足踏みしかしていない自分を直視したくなかった。

元同僚のSNSが流れてきた。綴っている文章に実感と情景が詰まっていて、その人の感性が滲んでいる。その姿勢で人と交われているのが、心から羨ましい。清濁ひっくるめて、“彼女”をまっすぐ生きている。

星野智幸さんの『俺俺』という作品を読む。絶対的理解者を求めた先の恐怖、を描いた作品。俺は透明な世界を求め過ぎなのかもしれない。

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