
作家の池澤夏樹さんが個人編集を務め、全30巻にわたる『日本文学全集』を読破しよう…と友人と読書会をはじめます。
僕はいわゆる“文学”というものに、とんと疎いまま育ってきました。小説は好き。大好き。でも、文学作品はどこか遠い存在で。図書館や本屋さん、教科書などで存在は知っていても、読んでみようという気にならなかったんです。
そのときの感情を見つめると、どうやら「わからなかったらどうしよう」という、ちっぽけなプライドがあることに気づきました。
本が好きと言いつづけているのに、文学と呼ばれるものを理解できなかったら…。そこでなにかが損なわれるはずないのに、本好きと名乗る資格がないと感じてしまいそうで。
けれど、ずっと読みつがれている文学作品の魅力にも触れてみたい。人を惹きつけてやまないものを感じてみたい。
ちっぽけなプライドと文学作品からの引力のせめぎあい。それを友人に話していて、教えてもらったのが「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」でした。いろんな作家さんが新訳を担当しているのも面白い。
ひとりだとまだ難しいかもしれない。でも友人の肩を借りてなら…と、「全30巻を読破しようの会」を開くことになりました。
文学作品なんて読んだことないよ、という方とこそ一緒に読み進められたら嬉しいです。
<今回の本>

<版元より>
平安時代中期の11世紀初めに紫式部によって書かれた『源氏物語』は、五十四帖から成る世界最古の長篇小説。輝く皇子として生まれた光源氏が、女たちとさまざまな恋愛を繰り広げる物語であると同時に、生と死、無常観など、人生や社会の深淵が描かれている。四百人以上の登場人物が織りなす物語の面白さ、卓越した構成力、細やかな心情を豊かに綴った筆致と、千年読み継がれる傑作。上巻には一帖「桐壺」から二十一帖「少女」まで、光源氏の誕生から若き日々を描く。
第四冊目は『源氏物語 上』です。
前回読んだ三冊目の解説にて、池澤夏樹さんが文学史について触れていたのですが、源氏物語以前と以後でわけられるそう。それくらいに、とてつもない作品。
教科書等々の断片でしか知らない場面も多いのですが、それらはすべて光源氏というひとりの男の生涯を描いたもので。五十四帖もの大長編のなかに位置づけたとき、また違った見え方になるはず。
千年前の傑作を、上中下と3ヶ月にわたって読み進めていきます。
※今回取り扱うのは、上巻に掲載されている<一帖「桐壺」から二十一帖「少女」まで>です。文庫版もあるのですが、巻の区切り方が異なっているので、ご注意ください。
<日時>
4月28日20:00〜21:30頃
<定員>
5名(ゆったりおはなししたいため、少人数に設定しております)
<開催方法>
ZOOM
参加ご希望の方は、DMや問い合わせ、info@torobibook.comなどへご一報くださいませ。ZOOMのURLをお送りします。